断腸亭料理日記2007

天神下・居酒屋シンスケ〜

ラーメン大喜

5月11日(金)夜

さて、金曜日、で、ある。

20時30分過ぎ。
仕事は残っているが、もうだめ。
帰ろう。

オフィスを出る。

昼間は日差しが強かったが、
夜になると、さわやかで、気持ちがよい。

腹も減ったし、ラーメンでも食おうか。
どこがよかろう。

遠くまでいく元気もない。
久しぶりに、天神下大喜にでもいこうか。

2006年

牛込神楽坂から大江戸線、上野御徒町で降りる。
春日通りを湯島へ。

この時間だと、一軒目が終わって、二軒目に移動する時間。
そんな人々で、歩道も歩きずらい。

大喜、、。
きてみると、こんな時間でも、結構な列で、ある。

金曜だからだろうか。
しかし、ちょっと前にはここまでではなかったかと思う。
最近もまた、人気なのであろう。

どうしたものか。
ここに並んでいる元気はない。

ん!

春日通り、湯島の切通しをはさんで向かい側。
居酒屋、シンスケ。

こっちにいってみようか。
前に一度、シンスケから、大喜というはしごをしたことがあった。

2004年

はしごをするかどうかはともかく、
シンスケを覗いてみよう。

と、その前に、切通し、のこと。

江戸の地図。

不忍池があって、上野広小路。
藪蕎麦のある、池之端仲町。今の春日通りは、ない。
赤い点々を付けたのが、湯島の切通し、で、ある。
南側が湯島天神。北側は湯島切通町。

今は、あまり言わないだろうか。
湯島の切通し。坂の名前としては、切通し坂。

昔の都電がこの坂を登っている写真などを見ると、
今でもそこそこ急な坂であるが、切通しの名の通り
以前はもうすこしきつい勾配であったようである。

落語だと、柳田格之進、という噺が思い浮かぶ。

講談ネタで、あまり知っている人も少なかろう。
情景は、初春、雪の切通し坂。
駕篭でさしかかった主人公の老武士が、
坂は、江戸の頃はもっと急であったのであろう、
担いでいる者を気遣い、駕篭を降りて歩いて登る。
すると、浅からぬ因縁のある者に出くわす。
老武士が浪人時代、その男のせいで、
自分の娘を吉原に売らなければならなかった、、。
そんな場面である。

ともあれ。

湯島切通し。

大喜から、坂下の交差点まで戻り、
通りを渡って、シンスケ前に回る。

シンスケは、粋な居酒屋、と、いう言われ方をするが、
建物は、ビル、で、ある。

入り口は通り側でなく、路地側。
縄のれんが下がっている。

入ると、右側にさらに、扉があり、一階の客席。
正面が二階への階段。
その一階の扉の脇に、帳場があり、そこから、
一階の客席が覗ける。
なかなか、繁盛のようである。満席であろうか。

帳場は、カウンターの中につながっており、
ご主人の顔が見え、「一人」と、一本、指を立てると
「どうぞ」と、カウンターの空いた席を指し示す。

幅の広い、ごつい木のカウンター。
座り、エビスの瓶をもらう。

ご主人は、七十を越えているのであろうか。
いつもカウンターの中で、謹厳そうに真っ直ぐ立っている。

お通しは切干大根。
辛めで、シャキシャキしている。

さて、つまみ、、。

通りかかったご主人にそっくり、筆者よりは少し若いか、
若主人に頼む。

小肌、、、切れている。
時間も遅いせいか、切れているものも少なからずある。

蛸ぶつと、地鶏の竜田揚げ、に、する。


蛸も竜田揚げもうまい。

蛸も地蛸。輸入物の蛸は、どうしても水っぽい。
竜田揚げは揚げたて。なにか入っているのか、
衣がさくさくで、うまい。

ここの酒は、みな、秋田の両関である。

酒にかえよう、か、とも、思ったが、疲れのせいか、
ビール一本でもまわりが速い。

出ようか。

若主人にお勘定をしてもらう。
ご主人も、若主人も如才がない。

(¥4000弱)

さて、どうするか。
大喜は。

10時少し前。
もうすぐ店仕舞いである。

向こう側の店の前をみると、一人待っている人もいる。

いってみようか。

通りを渡って、店の前。自販機。
ノーマルにしょうゆ。これはこの店の看板であろう。
魚介系のだしで、小松菜なんかがのっている。
塩で鶏そば、梅が入ったのもある。
ここのご主人も、限定のよく考えられた新作を出す。

いろいろあるが、味噌にしてみようか。

こんな時間でも満席、と、いうのは、すごい。

味噌。


煮玉子にチャーシュー、炒めた(?)野菜。
スープは、ちょっと背脂が浮いているか。

以前に食べたもの、と、だいぶかわっている。

やはり、研究熱心なのであろう。

麺は、と、いうと、極太、縮れ。
それも、茹で加減は、堅め。

スープは見た通り、こってりし、辛味は少ない。
細かい挽肉が入っている。

麺以外は、意外に、ノーマルな味噌ラーメンかもしれない。
(しかしまあ、これも変わっていくのかもしれないが。)

うまかった。

今日は、食い過ぎかな、、。



シンスケ
東京都文京区湯島3-31-5 湯島3315ビル 1・2F
03-3832-0469



大喜
東京都文京区湯島3-47-2 白木ビル 1F
03-3834-0348



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2007