断腸亭料理日記2007
6月17日(日)夜
さて、今日は昨日の続き。
と、いっても、時間的に続いているにすぎない。
上野、昇龍で餃子を買ってきて、食べたのであるが、
ここへいった本当の目的、アメ横の魚屋への買出し。
このところ、毎週のようにきている。
先週はお祭りでこなかったが、その前には鰹を一本買ったりしている。
今日は、鯛が随分目に付いた。
ここは、毎週、その日その日で、置いている魚が違う。
むろん、魚は、その時々で、獲れるものが違い、河岸への入荷も
違うのであるから、置いてあるものが違うのはあたりまえのことであろう。
大手のスーパーのように、水産会社と契約し、
年がら年中、いつ行っても、ほとんど置いてあるものが同じ、
という方が、おかしいのである。
鯛というのは、なんとなく気分ではない。
これはここには比較的いつもあるような感じがしているが、
スミイカ。
天ぷらにしてみようか。
天ぷらも、この季節、暑くなりはじめる頃、
どうしたわけか、食べたくなるもの、で、ある。
直近では、6/2、ぎんぽ、で、四苦八苦した。
すみいかは、1/27、やはりここで買って、天ぷらにしていた。
今日のは、以前のものよりも大きいようである。
四杯で、¥500。
夕方、さばき始める。
いつも、いかをさばくのは、他の魚はだめだが、なぜかいかだけは、
内儀(かみ)さんが、好んでするので、任せていたのだが、
今日は自分でやってみる。
足の回りから、胴の部分に指を入れ、はらわたを胴からはずし、
足を引っ張り、はらわたごと、足を引き抜く。
多少、はらわたが残ったりするが、これは指で取り、きれいに洗う。
次に、すみいかにはせんべいのような、甲、が、
なかにあるので、これを取る。
えんぺらから、皮をむく。
えんぺらを胴の部分から引き剥がすようにして引っ張ると、
胴の表面の薄皮が一緒に取れてくる。
甲がついていた部分は身がなく、薄皮だけ。
ここに包丁を入れ、胴を開く。
胴の内側の薄皮もむく。
大きいからであろうか、身が硬いようである。
きれいに洗って、ざるに上げておく。
なんとなく、失敗したような気もする。
普通に見るすみいかは、もっと小さい。
10cm程度で、あろうか。
今日のものは、15cmほどはあった。
(すみいかの旬は、冬から、春であった。
ぼうずこんにゃく)
下足も目玉や口を取って、きれいに洗い、湯通しをしておく。
天ぷらの準備。
内儀さんに、大根おろしの準備やら、天つゆ(桃屋のつゆ)の
準備やらをさせる。
油を揚げ鍋に用意し、点火。
ボールに生卵、冷水を入れ、混ぜる。
氷を2かけらほど。
油温が上がるのを、待つ。
手をかざして、そこそこ上がってきたかな、というところで
冷蔵庫から、小麦粉を取り出し、卵水に入れていく。
いかの量が、そこそこ多いので、衣も多めに用意する。
硬さは、いかの場合は、柔らかめの薄衣でよいだろう。
油に衣を落とし、温度をみる。
もう少し。
高温、180℃、で、よいだろう。
再度、衣を落とす。
OK。
四つほど、一気に投入。
10秒ほど、衣の固まるのを待ち、返す。
全体で、30秒ほどでよいだろう。
やはり、衣を薄くすると、難しい。
ちょっと、はがれたりしてしまった。
火を止め、一度お膳に座り、食べてみる。
やはり、少し、かたい、か、、。
時間も、少し長めであったか。
揚げ鍋に戻り、残り、続けて、どんどん揚げる。
揚げる時間は、衣が固まって、10秒以内でもよさそうである。
あとはそこそこ、うまく揚がった。
気持ち、かたいが、味はよい。
下足をねぎとともに、かき揚げにする。
これはうまい。
今日のすみいか、天ぷら、まあ、70点くらいであろうか。
やはり、魚介類の目利き、というのは、難しいものである。
ことに、アメ横の、この魚屋のような、お客の多くは
プロ、であるようなところの場合は、で、ある。
以前にも、鯖が安いので、買ってみたら、子持ちで、
脂がまったくなかった、というようなこともあった。
店先で見て、旬なのか、ちょっとはずれているのか、
などは、なかなか聞けない。
(旬で安い場合もあろうが、はずれていて安いこともある。)
恥ずかしい、というのもあるが、もともと、安いものであり、
売っている側は、ネガティブなことはいわないであろう、
と、思われるし、まさか、時期はずれですか、などとも聞けない。
毎週通い、なん年かしないと、わからないのかもしれない。
(なにか、筆者、修行をしているようで、ある。)
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