断腸亭料理日記2007
7月22日(日)夕
昨日は、鮎を焼いたり、鮎飯を作っている間に、
実は、歯医者にいき、先週抜いたところに
仮歯を入れたりしていた。
今日は、無性に、午後から、酒が呑みたかった。
(要は、昨日はくたびれた、ということである。)
それも、なんだか、茄子の煮びたしで、で、ある。
曇ってはいるが、蒸し暑い。
浅草郵便局へいくついでに、田原町の赤札堂に寄る。
なすに、枝豆も。
それから、安くなっていたので、なまこ。
さらに、肉売り場で、鶏レバー。
これも安くなっていた。
帰宅。
前にも作っているので、見直してみる。
比べるのも、なん、で、あるが、
池波先生も、毎日なにを食べているのか、書いていた。
これは、奥様が作るものの参考にする、という意図であった。
(先生は、食べることに真剣。極端な言い方だが、
命を賭けて、一食一食を食う、べきである。と、いうような
ことをいっていたかと思う。一食一食を、おろそかにしない。
そういうことなのである。)
筆者のこの日記も、自分の参考には、なる。
まずは、枝豆。
濃い目の塩水を作り、先に浸しておく。
なにかのテレビでやっていたようだが、
枝豆は塩味が付きにくく、塩水に長く浸すのが
ポイントであるようだ。
焼きなすの煮びたし。
前のものを見ると、長なすを細く切って、
皮をむかずに、焼いていた。
今回は、長なすではなく普通の形。
出汁が染み込みにくいと、あるので、
皮をむく、で、やってみよう。
まずは、出汁を取る。鰹で濃い目。
出汁が取れたところで、なすを焼く。
焼くのだが、皮をむくのは、焼いてから、なのか、
焼く前、なのか。これがわからない。
両方やってみようか。
皮をむき、切ったもの、そのままのものを、それぞれ、
魚焼き用のグリルで、焼く。
ある程度、焼けたところで、
むいていないものの、皮をむく、、、。
これが、なかなか難しい。
皮を通して、中が加熱されているので、柔らかくなっているので、
熱いし、フニャフニャして、むきずらいこと、おびただしい。
熱いので、少し水に漬けて冷ますと、よけい柔らかくなり、
むきずらさが、増す。
なんとなく、プロは、焼いてからむいていたのを
テレビで見たような記憶が、あるのだが、、。
プロは、包丁を入れて、引っ張っていたような気がするのだが、
そうすると、皮が切れてしまう、、
(焼きすぎであったか?)
なんとかむき終える。
出汁を濾し、薄く、しょうゆ、酒を入れ、
なすを、煮る。
(ついでに、まったく焼いていないで、
皮だけをむいたものも、この段階で入れてみる。
なにか昨日の鮎飯から、実験模様、で、ある。)
鶏レバーは、たっぷりの玉ねぎと、甘辛く煮る。
ある程度、煮込んだなすは、鍋ごと冷水に突っ込んで、
冷やしておく。
枝豆を茹でる。
なまこは切ってあるものなので、パックを開けて、
洗い、ぽん酢しょうゆをかけるだけ。
煮びたし、で、あるから、
冷やして、落ち着かせ、出汁をよくふくませる。
頃合いを見計らって、盛り付ける。
予定通り、冷酒(菊正宗の常温)を湯呑みで。
焼なすの煮びたしである。
これは、皮をむいて、切り、焼いたものが、
最も形がしっかりしている。
だからといって、出汁をふくんでいないのかといえば、
そんなことはなく、よい感じである。
焼いてから、皮をむいたもの。
これは、多少形がくずれている。
最もグズグズになっているのが、焼かずに
生のまま皮をむいたものを煮たもの。
結局、なすの煮びたしという食い物は、ほとんどが、
出汁の味と、食感、多少のなすの香り、であろう。
どうなのだろうか、これは、好みなのだろうが、
生から煮た、ぐずぐず、は、見栄えとして、
いま一つであるし、食感ももう一つ。
焼いてからむくのは、むずかしい。
そうすると、むいてから、焼いたものが、最良、
と、いうことになろうか。
焼きなすの煮びたし。
夏にはよい、つまみ、で、ある。
(他のものも、どれもうまかった。
鶏レバーの煮漬けもよい。特に、煮え立て。
甘辛の玉ねぎは、格別、で、ある。)
☆東京FM、Daily Planet Hummingbird
出演報告。
昨日、7/25(水)予告の通り、東京FMの生番組に
ゲスト出演させていただいてきた。
まあ、聞かれた方は、読者層から考えて、
少ないかもしれぬが、本人としては、なかなかおもしろかった。
ディレクターなのか、構成作家のなのか、担当の方が、
若い女性であったのだが、筆者のこのページを
かたじけなくも、かなり細かく読んでいただいた上で、
原稿を用意されていた。
テーマは、「池波レシピで、江戸ごはん」、という。
その詳細は長くなるので、ここでは述べないが、
私の、過去に書いたことを、喋ってくださいという
私とすれば、ありがたい内容であった。
さて、実際の放送。
トークの相手が、堀内さんという
比較的若め(36歳?)のパーソナリティーの方で、
気のいい、お兄ちゃんという感じであった。
いつものこの番組の進行は、アナウンサーの女性がもう一人いて
するそうであるのだが、急な出張だかで、その方がおらず、
そのお兄ちゃんと私の二人だけのトーク。
彼もこんな内容にあまり慣れていないようで、
途中まではよかったのだが、最後は、なにか、雑談のように
なってしまった。
聴いていただいた方にどういう風に、きこえたのか
よくわからぬが、作っていった、鯵の煮びたし、瓜もみも、
妙に喜んでくれたし、私としては、気さくなお兄ちゃんと話ができて、
なかなか、よい気分であった。
この場を借りて、堀内さんはじめ、番組スタッフの皆様に
感謝申し上げたい。
それにしても、どうも私は、文章を書く、ということよりも
TV、ラジオの方に、妙に、縁があるような気がする。
なぜであろうか。
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