断腸亭料理日記2007
「断腸亭、香港へ行く」引き続き、二日目。
香港島、夜景の名所、ビクトリアピークに、昼、登る。
高層ビル群と、旧英国統治時代の雰囲気を残す街並みを抜け、
山に登るケーブルカー、ピークトラムの麓駅に着いた。
暑さの中、なが〜い列についたところまで。
8月17日(金)
このケーブルカーは香港最古の公共交通機関だという。
開業1888年(明治21年)、110年。
ケーブルカーというくらいで、ケーブルで引っ張り上げる。
なが〜い列がやっと終わり、待ちに待った、ピークトラムが来た。
木製のクラシックな車両。なかなか雰囲気がある。
走り始めると、これがかなり急な斜面を登っていく。
ちょっとした、ジェットコースターのようである。
開業以来、なんと無事故である、という。
振り返ると、超高層ビルを下に見て、よい眺め、
なのであるが、筆者、実は、高いところが苦手、なのである。
振り返るのも、今ひとつ、、、。
(じゃあ、なぜこんなところにきたのか、であるが、理由は簡単、
有名なところだから、で、ある。)
十分弱で、山頂駅に到着。
降りると、そこが、数階建てのビルになっており、
レストランやら、様々なショップ、ゲームセンターまでが入っている。
こんな山の上に、、、と、思うが、とりあえず、
どんどんと、上に登る。階上は、展望台であろう。
案の定、登ってみると、オープンエアの展望台。
この、オープンエア、と、いうのが、筆者にはまた、いけない。
囲われた空間であれば、高いところもまだよいのだが、
なにもない、というの、どうも、怖いのである。
写真を数枚撮って、とっとと、建物に入ってしまう。
さて、時刻は、お昼、で、ある。
このビルで、なにか食おうというのも、今ひとつ。
別段、山を降りて食べてもよい、とは思うのだが、、、。
今ひとつであれば、思いっきり、今ひとつ、の、店に入ってみる、
と、いうのも一案、で、あろう。
そこで選んだのは、日本食のレストラン。
香港でも、こうした飲食施設の入ったビルには、間違いなく一軒は
寿司やラーメンの日本食レストランが入っているようである。
ここにもあった。
店の前にあるメニューを見てみると、なかなかの高価格。
話の種に覗いてみようか。
黒を基調にしたお洒落な内装の店内に入る。
と、黒いユニフォームを着た店員さんが、アヤシイ日本語で、
「イラ・シャイマセ〜」という挨拶。
窓からは、香港島の高層ビルの景色が見える。
山を降りてからちゃんと食べることにして、
生ビールと鮨のカリフォルニア巻きを、二人で一人前頼む。
客層はケーブルカーと同様に観光客であるが、
心なしか、欧米人よりも、東洋系の人が多そうである。
韓国の方と思しきグループは、日本人にはお馴染みの
赤いラベルで台形の瓶、S&Bのテーブルコショー、
同じく丸い瓶の七味唐辛子、を
わざわざ持ってきてもらい、鮨にかけている。
また、ショートパンツからナマ足を出した若い女性を連れた、
お金持ちそうな中国系のお爺さん。
うどん、を、啜っている。
(これは、ゆでうどんであろうかと思われる。
日本のゆでうどんは、香港では認知されているようである。
スーパーや食料品店などでも出回っていた。)
筆者らの頼んだ、カリフォルニア巻きの味は、
昨年夏行ったメキシコ、カンクンのホテル
よりは、まだ、普通の味では、ある。
勘定をして、出る。
これで二人で、なんと、10,000円。
場所代もあろうが、この価格で商売が成立しているのは
まったく驚きである。
カルチャーショックというのか、なんというのか、、。
先ほどのテーブルコショーも含めて、この状況は、
日本人としては、座りの悪さを感じざるを得ない。
(先に、モスバーガーの看板のことを書いたが、
この香港における、日本(食)文化の受け入れられ方、
日を改めて、考察してみなくてはなるまい。)
さて、そのまま、今度は、下りのケーブルカーに乗って、下山する。
登りの場合は進行方向に向かって椅子が並んでいるが、
椅子は動くわけではないので、降りる場合は、
反対向きに(背中から)降りていく。
下を見なくてよいのは、筆者には、よい。
登ったときと同じ時間、十分弱で、下山。
今日はここまで。
「断腸亭香港へ行く。」まだまだ続く。
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