断腸亭料理日記2007
さて、実のところ、昨夜、8/19、帰国したわけであるが、
この日、帰途のどこかで、デジカメをデータとともに、
紛失してしまった。嗚呼。
と、いうことで、画像なし、かつ、メモなどもしておらず、
記憶のみ、で、香港を書く、と、いうことになってしまった。
(もともと、この日記を書き始めた頃は、
デジカメなど持っておらず、画像はなかった。
その頃に、戻った、と、思えばよかろうが、
画像を期待されている読者の皆様にはお詫びしなくてはならない。
しかし、どうなることやら、、、、。)
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8月17日(金)
二日目の夜が明けた。
雨はやんでいる。
雲はあるが、日は出ている。
日が出ると、亜熱帯である。かなり暑くなるという。
さて、今日はどうしようか。
しっかりとした予定を組んでいるわけではない。
しかし、日曜には帰るので、実際には、金曜と、土曜しかない。
とりあえず、観光をしよう、で、ある。
香港で、見なくてはいけないというと、
夜景で有名な、香港島のビクトリアピーク。
ひとまず、今日は、そこへいってみようか。
(昼間そこへいって、どうするのか?という疑問もあろうかと思うが、
筆者、夜景、というのに、さほど興味がなく、昼間、である。)
昨日書いたように、ホテルのある旺角(もんこっく)からは、南。
九龍の先まで行き、海を渡って、香港島。そして、山に登る。
そんな行程、で、ある。
その前に、朝飯、で、ある。
起床が、7時。
香港、で、ある。朝飯といえば、お粥、で、あろう。
香港でお粥は、いわゆる、飲茶(やむちゃ)の店なのか。
ガイドブックに載っている、朝もやっている、飲茶の店、
それも、香港島方面への移動の道筋にあるところ、を探してみた。
香港島に渡る九龍の先端は、尖沙咀(Tsim Sha Tsui チィム サア チョイ)、
という地区。ここにはペニンシュラやら、
シェラトンなどの高級ホテルもある。
この、海辺、香港文化中心というところに、朝からやっている、
飲茶の店があるようである。
(どうでもよいが、中心は、文字通り『センター』の
中国語訳で、日本語的にいえば、文化センター、である。)
ここにいって、朝飯を食って、このそばのフェリー埠頭から、
フェリーに乗って香港島に渡ってみる、と、いうのはどうだろうか。
尖沙咀までは、地下鉄、二駅。
ホテルを出て、地下鉄の旺角の駅まで歩く。
歩く、と、いっても、地下から駅につながっているくらいで、すぐ。
金曜日、香港もウイークデーで、ある。
仕事へ出かけるビジネスマン、ビジネスウーマンで
道も、駅も、ラッシュアワー。
(ネクタイを締めた日本で見るようなビジネスマンの姿は
むろんいるにはいるのだが、さほど、多くは見かけなかった。
時間が違うのか、通勤手段が違うのか、
それとも、そもそもラフなのか、、。)
当然ながら、地下鉄の車両も満員。
しかし、東京のギュウギュウ詰め、まではいかない。
車両も大きいように思われる。隣の人と、身体が触れない。
尖沙咀駅で降りる。
出ると、重慶大厦(チョンキン・マンション)という、
ガイドブックによれば、治安上、ちょっと怖い、という、ビルがある。
(時間があれば、探索したいが、内儀(かみ)さんもいるので、
避けて)、ペニンシュラの前から海側に道を渡り、香港文化中心。
目的の店は、文化中心の海寄りの別館のような建物にあった。
入ってみると、窓際の席は、海が見え、向側の香港島の壮麗な
高層ビル群が見える。
しかし、満席。人気のようである。
奥の方に案内される。
ガイドブックに載っているだけあり、2〜3割は、日本人であろうか。
また、有名ホテルの多いせいか、外国の観光客も多い。
(地元の人、と見える人は逆にほとんどいない。)
筆者は、春巻の付いた、お粥セット。
内儀さんピータンのお粥。
後々、気が付いていくのだが、ほとんどの店に、
ちょっとお得な、セットメニューのようなものがある。
たいてい、これらは写真入りの別のメニューとして、テーブルに
置かれている。
広東語のわからぬ筆者らには、写真入りでわかりやすいので、
当然ながら目に留まる。
それぞれ、提供される時間が朝だけ、昼だけ、午後だけ、
夜だけ、などと決まっている。
また、昨日書いたように、一組のお客で一品だけ、
というような、ルールもあったりする。
考えてみれば、日本でもよくあるシステムだが、
写真に釣られて頼んでしまい、間違った頼み方をすると、
拒否されたりもするし、注意が必要、である。
筆者の頼んだセットのお粥は、お得なだけあってか、少し量が少なめ。
具は、香港ではお粥によく使われているが、干した魚。
味は、うまい。
この店は、人気であるという以上に、店の対応が追い付いて
いないようで、かなり待たされた。
しかし、その後の数々の店では、ほとんどこんなことはなかった。
“すぐに出てくる”と、いうのは、やはり、多忙な街の文化、
なので、あろう。
この店も、昨夜の店もそうであったが、香港もある程度以上の
レストランでは、テーブルで勘定をする。
〆て、勘定をして、チップを置いて、出る、という流れ。
どうも、日本人はこれに慣れていない。
しかし、よく考えてみれば、日本も昔はそういうシステムはあった。
今でも、筆者のよくいく、池之端藪などでも席で勘定はできる。
また、チップは、心づけ、で、昔からあった。
席で勘定〜心づけ、という習慣なくなったのは、おおかた
戦後のことであろう。
いい気持ちで食事をした後、わざわざレジや、帳場までいって
立って勘定をする、と、いうのは、やはり、今ひとつ、で、ある。
しかし、心づけを出す、ということは、客としては、かなり難しい。
池波先生ではないが、気持ちよく、スマートに、出せるようになるには、
相当な場数を踏まないと、できなかろうし、今の筆者には、できない。
今から、そういう習慣がなくなった日本で一人それをする
というのは、現実的ではないのかもしれない。
香港で、飯を食いながら、つらつらそんなことも
考えたのであった。
(この項、続く。)
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