断腸亭料理日記2007
断腸亭、香港へ行く。一つ、お休みをしたが、再開。
もう少しだけ、お付き合いを。
8月18日(土)
昼間は、暑い中、香港島、ワシントン通りの骨董街などを見て、
日本人の女性がいたお茶屋さんで、思いがけず中国の緑茶などを買って、
ホテルに一度戻ってきた。
香港へきて、安いものばかり食べてきたが、夕食は、お約束。
フカヒレを食べに行くことになった。
なぜであろうか。
日本人は、なのであろうか、香港といえば、フカヒレ、
の、ようである。
決めたのは、福臨門酒家。
ご存知の通り、東京の銀座にある、福臨門の香港店。
福臨門を選んだのは、まあ、馴染みがあるから、というだけではある。
(残念ながら、銀座の店もいったことは、ない。)
銀座の福臨門のコースメニューは15000円から。
かなりのものである。
香港であれば安い、のかどうか、わからぬが、
まあ、とりあえず、いってみよう。
福臨門酒家は、香港島の港仔(ワンチャイ)が本店であるという。
そして、ホテルのある、九龍の旺角(モンコック)からは
尖沙咀(チムサーチョイ)の店が近いので、そちらにいくことにした。
TELをし、予約する。
その前に、一応、観光客らしく、買い物もあるので、尖沙咀の免税店へ
(タクシー代は、免税店から出るらしいので)タクシーでいく。
50$ほど。
ご存知の通り、昔はブランド品など、かなり安かったようだが、
今は、東京とほとんど違いはないらしい。
(筆者、ブランド品などには、まったく興味がない。
内儀(かみ)さんに、財布がぼろぼろになっているので
恥ずかしいから、買いなさい、ということで、財布を買う。)
免税店から、歩いて、福臨門までいこうとするが、急な夕立。
その上、道にも迷ったりするが、なんとか、たどり着く。
着いてみると、予約などするまでもなく、
店は、ほとんど、混んでいない。
ひとまず、ビールをもらう。
メニューをみる。
コースは?
あー、これは、これは、、。
ひょっとすると、銀座よりも高いかもしれない。
(一人、2000ドル程度、30000円前後)
単品でもらい、シェアすることにする。
フカヒレ、アワビ。
ウエイターのお兄さんが、やたらと、海老をすすめる。
安くもないが、勢いに負けて、一匹頼む。
青菜炒め。
それから、焼きそば。
お通しのようなものがくる。
二種。一種は忘れてしまったのだが、もう一種は、XO醤。
XO醤は、拙亭にもあるが、調味料とばかり思っていたが、
こうして、そのまま食べるものでもあった。
これは知らなかった。
フカヒレスープがくる。
ここは、ウエイターが完全に取り分けてくれる。
初日にも、フカヒレは食べたのであった。
この時はよくわからなかったが、豆の部分を取った茹でたもやしと
梅酢が一緒に出てくる。
そういうものらしい。
フカヒレは、ほとんどは、食感。
あとは、スープの味、なのであろう。
しかし、さすがに福臨門。
むろんのとこ、初日の旺角の店よりも、遥かにうまい。
アワビ。
中華のアワビは、干しアワビを戻して料理する。
筆者、食べるのは、初めて、である。
滋味のあるうまみと、と香り、やはりなかなかうまいが、
いわゆる江戸前鮨の蒸しあわびに近いように思われる。
アワビをうまく食う調理法は、行き着くところは、
似たようなところになる、ということなのかもしれない。
あるいは、江戸前鮨の技の高さを物語っている、
そういうことかもしれない。
おすすめの、海老、が、きた。
車海老、の、ようである。
にんにく風味。
これは、かなり、うまい。
茹でてあるのか、炒めてあるのか、あるいは、油をかけてあるのか、、
よくわからぬが、火の通り具合といい、香りといい、
さすがの技、で、ある。
青菜は、菜の花。
かなり上品に仕上がっている。
焼きそばは、広東風のオイスターソース。
麺は、パスタのリングイネのような平たいもの。
これは、普通にうまい。
シェアをしても、なかなか、満腹。
二人で2000ドル、30000円超。
(為替の問題もあるが、銀座の方が安かった、のかもしれない。)
帰りも、タクシーを拾って、ホテルまで戻る。
さて、本場、香港、福臨門酒家での、フカヒレとアワビ、
どうなのであろうか。
中華といえば、フカヒレにアワビ。
高級食材、なのであろう。あまりにも有名で、ある。
香港へきたからには、やはり食べないと、と、思った。
なにごとも、経験しなければ、わからない。
そういう意味では、いい勉強にはなったということであろう。
(この味で、この値段という、コストパフォーマンスのような
ことをいうような世界ではない、ということではあろう。)
また、海老でもわかったが、技術としては、やはり相当なもの。
さすがに、食の都、香港の福臨門であった。
さて、一つだけ、おまけであるが、福臨門でこんなことがあった。
店の中に、個室があったのであるが、二部屋、お客の名前として、
「陳先生」「何先生」などと出ているところがあった。
ドアが少し開いているので、なにげなく覗いてみると、
なんと、中ではいいおじさん達が、麻雀をしている。
なかなかおもしろいではないか。
食事が先か、後かわからないが同時にできる、というのであろう。
日本では、雀荘は雀荘で、うまいものを食うのとは別、である。
また、先生、という敬称が、よい。
本当は、先生でなくとも、先生なのかもしれない。
香港のお金持ちはこういうことをするのか、で、ある。
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